少年友の会とは
非行をした少年は家庭裁判所に送られてきます。家庭裁判所では、非行の原因を調査し、もう二度と非行をすることのないよう必要に応じて教育指導し、被害者のことも考えながら適切な処分を決定します。この家庭裁判所の行う教育指導に協力している団体が「少年友の会」です。
全国の各都道府県にある50の家庭裁判所に対応して50の少年友の会があり、2024(令和6)年現在では全国で1万人余りの会員が活動しています。
所属する会員は皆ボランティアです。各地の調停協会のメンバーである調停委員や元調停委員、家庭裁判所の元職員、弁護士が中心となっているほか、少年と年齢の近い学生会員が所属している会もあります。また、各地の少年友の会をつなぐ組織として「全国少年友の会連絡会」(全少連)があります。
主な活動
少年友の会では、以下のような活動を実施しています。

社会奉仕活動
少年とともに公園や地域の美化、社会福祉施設での車椅子清掃などのボランティア活動を行います。自分が社会のために役立ったと感じる経験が、立ち直りに良い効果を生みます。

被害を考える教室
万引き等で被害を受けた商店主や傷害を 負った人などから、被害者がどんなことで困り、どんなに苦しんでいるかを聴くことにより、少年の内省を深め、再非行防止を図ります。

保護者
等支援
家庭裁判所が行う親・保護者への働きかけに協力して、親の役割について話し合い、責任を自覚する機会を設けます。子どもの非行に悩む親も多いので、相談相手になるなどして支えます。
全国少年友の会連絡会
代表世話人のご挨拶
全国少年友の会連絡会 代表世話人 原田 和德
明けましておめでとうございます。
新年が平穏で、幸多き年であることを心よりお祈りいたします。
全国各地の少年友の会をつなぐ組織として、「全国少年友の会連絡会(全少連)」があります。令和3年4月に全少連の代表世話人に就任した原田和德でございます。よろしくお願いいたします。
東京少年友の会に所属する有志の御尽力によって、昨年2024年3月に「少年友の会」についてのホームページが開設されましたが、ホームページを御覧になった方々から問い合わせや寄附の申出等をいただいており、感謝しています。
東京少年友の会が1966(昭和41)年に設立されましたが、その後、少年友の会設立の動きは全国へと広がり、2009(平成21)年に全国の家庭裁判所50庁に対応する50会の少年友の会が出揃いました。翌年には全少連が設立され、第1回全国大会が開催されました。
昨年10月には、第9回全国大会が開催され、「少年友の会の教育的措置支援活動への期待」と「少年友の会の課題と活性化」という各テーマについて協議が行われました。コロナ禍も一段落し、多数の会員が会場に参加し、充実した有意義な協議が行われました。現在、家庭裁判所に協力して、少年に寄り添った付添人活動、社会奉仕活動、学習支援・就労支援活動等が、各少年友の会の実情に応じて行われています。地域ごとでもブロック連絡協議会が開催され、意見交換が行われています。また、就労支援や、弁護士付添と友の会付添の協議の在り方等について、各会相互間でマニュアル等の交換、他会を訪問しての意見交換等も行われています。今後とも、少年の更生を目指して全国の各少年友の会の連携が深められていくことを願っています。
多くの方々が、それぞれの思いを込めて、東京少年友の会創設の立役者の一人である三淵嘉子元裁判官が主人公になったNHKの朝の連続テレビ小説「虎に翼」を視聴されたことと思います。私は、三淵嘉子さんにお目にかかったことはありませんが、広島で過ごした高校時代、裁判官として担当した少年事件、家事調停事件及び民事訴訟事件等を思い浮かべながら、興味深く視聴しました。残念ながら、少年友の会の活動についての物語は展開されませんでしたが、昨年10月1日に放映された―みみより!解説―NHKにおいて、少年友の会の活動が紹介されました。この点については、ホームページの「お知らせ(NHKへのリンクあり)」をクリックして、―みみより!解説―NHKを読んでいただければ幸いです。
非行をした少年の立ち直りを図るためには、社会一般の御理解と御支援が必要不可欠であると考えています。今後とも、全国の各少年友の会に温かい御支援をいただければ幸いです。